ミミーが新人の頃は、3年修業して一人前と言われていました。
何が?って、もちろん日本語教師です。

420時間の養成講座を終えて非常勤だろうが常勤だろうが、大学・専門学校だろうがボランティアだろうが法務省告示校だろうが、職を得たところでまだまだ養成講座を終えただけのド素人。
その養成講座で学んだ知識、スキルを実際に使えるようにするには、その就いた職場での修業が必要でした。
ミミーの場合、その先が法務省告示校、いわゆる、日本語学校だったのです。

当たり前ですよね?
養成講座を出たからって、すぐに教えられるはずもありません。
まずは先輩日本語教師にくっついて、修業を続けます。
時に叱られ、時に褒められ、当時はよく「先輩のスキルを盗め!」と言われたものでした。
それで先輩の授業を見せてもらったりして、自分に合った、自分に出来るスキルを盗み、自分の授業に磨きをかけていきました。

皆さんは、日本語の発音について学びましたよね?
私が受けた当時の養成講座では、カセットテープを与えられ、それを聞いて勉強したものです。

クローズド・クエスチョン
イエス・ノー・クエスチョン
オータナティブ・クエスチョン
オープン・クエスチョン
ディスプレイ・クエスチョン(提示質問)
レファレンシャル・クエスチョン(指示質問)
インフォメーションギャップのある質問

こんなのも習いましたよね?
これらをちゃんと使い分けて授業を進めないとどうなるか、なんてのもカセットテープの模擬授業『良い例』『悪い例』なんてので学習しました…って、まだDVDが無かった時代でしたから(笑)!
で、その発音、日本語の『がぎぐげご』は破裂音だと教わります。
でもって、留学生の発音を聞いて修正してあげるのですが、その留学生の発音を聞いて調音法を判断するトレーニングもやらされたかと思います、って、日本語教育能力検定試験でも『問題Ⅱ』はそういう問題が出題されると思います。



これって、ちゃんとできるようになるには、つまり、空気のように無意識に判断できるようになるには、やはり修業が大切なんです。
ベトナム人の『G』は摩擦音なんだそうです。
こんなのも、本を読まずとも聞いて判断できるようになるんです。

って、これ ↓ は面白かったですよ!



そんなスキル必要ない?
そう考える方は、今まで何もなさってこなかったのでしょう。
また、そんなことやらずとも、学生の力で結果が出ていたのを自分の指導のおかげだとでも勘違いして来れたんでしょう。
決して日本語教師の指導が結果を出したとは言えない『なんちゃって日本語教師』の人たちです。

ミミーが非常勤として法務省告示校の教壇に立ったころは、以前の記事でも紹介したとおり、ファースト・インパクトやバブル経済崩壊後の日本語教師の就職氷河期で、生き残った日本語学校は『まともな』日本語学校ばかりでした。
暴力団のフロント企業や、金儲けに走って失敗した日本語学校が次々と売りに出され、オーナーが変わっていく時代でした。
そんな環境でしたので、ミミーの日本語学校にはすごい先生がたくさんいらっしゃいました…って、すごい、じゃなくて、ちゃんとした日本語教師と言うべきでしょう。
周囲がこういう先生ばかりだと新人も当然その影響を受け、最近の日本語教師が『そんなこと必要ない』とか口にすることも出来ず、こういうことを平気で口にする『なんちゃって日本語教師』は次々と辞めていきます。
その学校で日本語教師をつづけたければ、先輩先生たちのスキルを身につけざるを得なくなるんです。
ミミーも、そうやってスキルを身につけました。
なもんだから、日本語教師って、自分が出た養成講座よりも自分を育ててくれた『教務主任』や『先輩先生』についていくんです。それで自分のことを『チーム・鈴〇』所属とか『〇橋組』なんて呼んで、その先生を慕うんです。
そう。
そうやって1人前になるのには3年かかると言われていたのです。

今は?
日本人にとって日本語って母語であり、無意識のうちに身に着けた言語です。
そのため、誰でも教えられるって錯覚を起こしちゃって、養成講座を出ても、日本語教育能力検定試験に合格しても、そこら辺歩いてる一般の日本人と大して変わらない指導しか出来ない『なんちゃって日本語教師』が大勢います。
新人として就職した日本語教育機関が金儲け主義の学校で、その教務や教務主任が『在職年数だけで判断し、数合わせで雇った人たち』だったら、育つ芽を摘み取られてしまい、その新人の日本語教師人生はお終いです。ネパール・ベトナムの留学ブームで法務省告示校が沢山出来て、こういう異常事態が沢山起こり、日本語教育の質の低下が言われたんです。
常識で考えましょう!
「悪質日本語学校や偽装留学生なんてごく一部だ!」とか、堂々と口にしちゃう日本語教師が平然とやって行ける時代ですよ!
新聞、ちゃんと読んだことあるのか?って。
世間知らずなんてレベルじゃないですよね?
恥ずかしくないでしょうか(苦笑)。
そう考えれば、『公認日本語教師』の資格取得なんて、厳しくして当たり前というものでしょう。


文化庁が、日本語教師についても言及しています。
養成講座段階の日本語教師を『養成』と呼び、経験0~3年の日本語教師を『初任』と呼び、それ以上を『中堅』と呼ぶ、ミミーたちが言ってきた『3年で一人前』って話が見当違いでもなく、同じようなことを考える日本語教師がそれだけいたってことでしょう。
けど、くどいようですが、これって在職年数だけで判断できるものではありません。ミミーとしては、どうせ国家資格にするんなら、『中堅』として認められるための昇進試験でもやるべきだと思います。
免許制なんでしょ?
名称なんて何でもいいですから、『初任』までを1種、『中堅』以上を2種と呼ぶなりして、ちゃんと知識とスキルが身についている人間にしか与えられず、それを持つものにしか『主任教員』の資格を与えない、それくらいする必要があると思います。


『ただ老舗だから』ってだけで優遇されるような制度にだけはしてほしくないものです。
老舗にも『なんちゃって日本語教師』がたくさんいるでしょうから!





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master mimi