イギリス産業革命の話をするとき、産業革命がなぜイギリスで発展したのかを説明しなければなりません。それは、ルネサンスがなぜイタリアで起こったのかを説明しなければならないのと同様です。学力レベルの低い高校や大学入試では知識の暗記が重要でその知識が使えるかどうかは二の次ですが、学力レベルの高い高校、大学入試では知識を使うことが重要です。ここらへん言語知識の試験である日本語能力試験と同様で、日本語が使えることなど二の次のところなどそっくりでしょう。当然、そんな意味のない行為は就職試験等以外では、無駄以外の何物でもなく、意味のない行為の繰り返しでしかありません。まぁ、就職がすべて、その後の社会貢献や個人の人生なんぞどうでもいいというのであればそれでも構いませんが。

で、その『なぜ産業革命がイギリスで起こったのか』を説明する際、いろいろな要因を説明するのですが、ここで話題にしたいのは『綿工業で発達した』という点です。
当時、イギリスでは毛織物工業が盛んでした。なら、産業革命が起きるなら毛織物工業の方が有利だろうと考えてしまいがちです。けど、実際には綿工業で産業革命が起きました。

産業革命とはなんでしょうか?それは、問屋制家内工業から、工場制手工業へと発展し、その工場での作業を機械が代用することによって生産力が飛躍的に向上し、大量生産が可能になること、と、ここでは定義したいと思います。
では、生産が機械化され大量生産が可能になったのが、当時のイギリスで盛んだった毛織物工業ではなく綿工業だったのはなぜでしょうか?それは、一般的には、熟練工の存在が指摘されています。
当時、毛織物工業が盛んだったというなら、それを作る『職人』の存在を忘れることはできません。
発展した工業の裏には、熟練した職人たちの匠の技が存在します。そんな熟練工たちが支えた工業に機械が入る余地などありません。むしろ、工場のオーナーが機械生産に変えると言おうものなら、熟練工たちの猛反対にあうことでしょう。
そう。
新しいものが発達するには、その分野が未発達であることが重要となってきます。

時々、世間知らずの人間が「俺が変えてやるんだ!」などと大口をたたいて失敗するなんて話を耳にしますが、やった本人はきっと目を血走らせて鼻息荒く突っ走ったことでしょう。けど、そんな失敗など歴史が証明しているのです。どうしても変えたければ、まず未発達の分野で大成功して力をつけ、そこからになると思います。それがイギリス産業革命の歴史の中には教訓として残っているのです。

さぁ、こんな話をしたからには?
そう。
日本語教育でも同じことが言えるんじゃないでしょうか。

現在、文化庁が『日本語教育小委員会』で、『日本語教育の参照枠』を作ろうとしています。その検討内容に、『社会で活用される試験に求められる要素について』という案件があります。これは文字どおり一般社会で活用される外国人の日本語能力を証明する試験に関する検討事項です。
これらの流れの内容を見る限り、現在の日本語能力試験は明らかに『使えない最低のクズ試験』となるでしょう。…って、こんなこと誰でも知っていることで、他にまともな試験がないから使っているというのが本音でしょう。…っつうか、最高レベルのN1を持っている外国人がろくに日本語を使えない現実を見れば、小学生でわかりそうなもんです。

そう。
言語運用の大常識『4技能+1』を問わなければ外国語試験として意味がないんです、って、それが当たり前の時代になろうとしているのです。…って、外国人以前に日本人の英語力に関しとっくの昔からその動きへとシフトしていますから。…って、地方公務員が勤務する公立の学校では、子どもたちの未来なんぞ全く考えずにこの動きに抵抗してつぶしてきた経緯がありますが、お金持ちが通える私立ではとっくの昔からです。…って、生活が保障されてるもんだからいい加減な仕事をしてもやっていける公務員と違い、私立で出鱈目な教育をしようもんなら死活問題ですから。

さて、なにをかいわんや、です。
これまで長い歴史を歩んできた日本語能力試験には、その歴史の分だけ問題集や参考書、指導ノウハウ(とは言っても、詰め込みの受験勉強ですが)があります。つまり、イギリスの産業革命で言うなら、毛織物産業の熟練工と同じ、熟練した指導力を持つ『ベテラン日本語教師』が大勢います。お恥ずかしながら、ミミーもその1人で、実際に実績も出してきました。
では、新しい文化庁の流れでは?
おそらく『4技能+1』の指導力に長けた熟練日本語教師の方もたくさんいらっしゃることでしょう。けど、ミミーの経験では、熟練日本語教師のうち圧倒的多数が『自称』に過ぎず、何もできない、何も理解していない方々ばかりです。もちろん、ミミーの学校にそういうのしか来ないって言われればそれまでですが、現場にいる方なら薄々感じているとおり『自称』のベテラン日本語教師が多数派で、使い物にならない方々ばかりです。ろくに合格実績を出せないのを学生のせいにするような日本語狂師では、全く意味がないのです。
もちろん、くどいようですが、これはミミーの経験則です。けど、口先だけで何もできない(自称)ベテラン日本語教師のなんと多いことか!!

「授業では、ペアワークをやらせてください」
「指導はできます。けど、学生がやらないんです」

学生にやらせられないのを世間一般では「指導」とは呼びません。出来るけどやらないだけというのは、小学生同士の会話では通じるかもしれませんが、一般社会では通用しません。

どうか、自分が一般社会でやっていけない人間だからと言って日本語教師の職業を選ぶのはやめてください。

日本語教師の能力を判断するとき、一番欠如していると感じるのが『社会常識』です。同じことを日本人相手にやったら、同じ言い訳を日本人社会でやったら、どうなるのか、これって公務員の世界と同じ現象で、一般企業でやったら大問題になるようなことを平気でやったり、言ったりする、それほど腐りきっている方々が大勢います。くどいようですが、これまたミミーの経験則ですが。

さぁ、もうお分かりかと思います。
イギリスの産業革命よろしく、この新しい変化に対応できる熟練工はわずかです!
(自称)ベテラン日本語教師だらけの世界です!
新しい動き、4技能+1の実力をつけさせられるだけの指導力を持った日本語教師が、産業革命を起こせるタイミングです!
うさぎ団は、そんなことを考えています!

では、どうすれば4技能+1を身に着けさせる指導力をもった日本語教師になれるでしょうか?
それは、まず第一の条件として、日本語教師を自称する先生自身が、めっちゃ遊んでいることです!!
機会あればつづきをお話したいと思います。


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master mimi