先日、東京入管から情報共有の依頼として、ファイルが送られてきました。

　『特定技能』に関する書類です。

　「令和２年３月に卒業する留学生で『特定技能』に関心のある留学生は～」
　って感じの書類です。

　令和１年１２月２日～令和２年３月３１日まで、臨時に相談窓口を開いているとのことです。

　さて、ここで冷静に考えてみましょう。

　法務省告示校の抹消基準として『CEFR-A2』が提示されました。それに対し、ほとんどの日本語教師が、この『CEFR-A2』を証明する試験が日本語にはないということに焦ったかと思います。私もはじめはそうでした。

　CEFRは言語知識ではなく実践能力を表す参照基準です。つまり、４技能試験です。日本語の資格試験のうち、４技能をみる試験がいくつあるでしょうか？それ以前に、CEFRに対応している試験なんぞあるでしょうか？

　もちろん、答えは『ノー』です。

　それで私もやんややんやと言ってましたが、ここに来て分かりました。例の東京福祉大学の問題を受けて６月に法務省と文科省が発表した内容をよく読んでください。

ポイントは

　『学部研究生、別科（専ら日本語教育を行うもの以外）、専門学校を、実質的に進学のための予備教育課程として運用し、日本語能力が十分でない留学生を受入れている実態が懸念される日本語能力が不十分な学生を入学させ、大学への進学指導を行っている懸念がある』

　つまり、学部研究生や別科、専門学校が、本来行うべき教育を行わず大学進学への予備校化しているということです。…って、業界の人間ならその手の専門学校がわんさかあるくらい誰でも知っています。

　でもって、それを文科省が調査して法務省にチクり、最悪、『経費支弁能力に関する資料に加え、日本語能力について試験による証明を求めることを検討』なんだそうです。

　もし、大学、専門学校へ進学する留学生に対し、N２相当の証明を出せと言ってきたら？

　そう。

　ほとんどの留学生が進学できないでしょう。

　けど、そんな証明を求めずとも、進学、特に専門学校へ進学していく留学生が激減すると思います。

　そう。

　『特定技能』に流れて行くってことです。

　既に、皆さんの日本語学校でも、進学をあきらめて、というより、合格をキャンセルすらして特定技能に行こうとする留学生、いませんか？

　専門学校に真面目に進学を考える留学生がどれほどいるでしょうか。恐らく、かなりの留学生が『ビザ延長』が目的で安い専門学校を探し、進学していることと思います。けど、ここに来て、特定技能が出てきました。

　はい。

　出稼ぎ目的の偽装留学生なら、まず『特定技能』に流れるでしょう。

　それに加えて、入管が日本語学校へ大々的に『情報共有』を求めた。

　問い合わせが多いから？

　いや、それ以前に、特定技能に流そうとしているようにしか思えません。

　では、留学生が在留資格『特定技能１号』をとるために必要な日本語能力は？

　はい。それが『CEFR-A2』です。

　大転換の波がやってきました！

　日本語学校の今後を大きく変える巨大な波です！！

　これまで、少子化の影響で日本人学生が来ず外国人留学生に看板とは違う指導をして生き延びてきたビザ取り専門学校の類が、次々と潰れていくでしょう。今までそっちに流れていた留学生たちが『特定技能１号』に流れますから。この『特定技能１号』が、ビザ取り専門学校へのとどめとなるでしょう。また、日本語学校も、日本語能力のない留学生たちをビザ取り専門学校へ押し込む必要もなくなるでしょう、って、そもそも東京圏では留学生が激減してますから。今まで『進学コース』をうたい、いい加減な指導をしてきた日本語学校は、きちんと指導して日本語能力をつけさせ、真面目な学校へ進学させざるを得なくなります。さもなくば、『特定技能１号』か。


　巨大な波です！
　早速、うさぎ団の団長と作戦を練らなきゃいけないのですが～

　団長、只今、海外へ。

　がちょぉ～ん！

　またアップしますね。