月の世界は、見るもの聞くこと、すべてが新鮮な世界でした。
まず初めに、月本語学校の入学式です。
厳かな雰囲気の入学式に参加しました。
そこには、地球から来た様々な留学生たちが参列していました。
うさぎが所属するクラスは、進学会話コースの初級Aクラスでした。
そこでうさぎは、同じうさぎ族であるメスうさぎの『陰菜』さんと友達になりました。
「びびばぼぼ、ボボボーボボーボボ(はい!これから授業を始めます!)」
うさぎは、月本語を話す先生の言っていることが分かりません。
けど、何となく内容を推理しながら話を聞いていました。
そして、うさぎが手にした月本語の教科書は、『みなさんの月本語』という本でした。
この『みなさんの月本語』という初級の教材は、文型積み上げ型の指導を背景につくられた教科書で、
月本語能力試験を受験するうさぎにとっては、最良の選択だったと言えるでしょう。
しかし、うさぎは早く月の世界のひとたちとコミュニケーションを取りたかったのですが、
月本語学校の先生は、毎日毎日カーンジの書き取りばかりやらせ、意味がわからない言葉でこむずかしい文法の話をするばかりでした。
けど、自分は頭が悪いとコンプレックスを持っているうさぎにとっては、コミュニケーション能力が上達しないのは先生のせいではなく自分のせいだと心に思い、毎日毎日、一生懸命努力するのでした。
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