日本には805の大学があります!
今回の動画では、このうちの国公立大学のお話をしたいと思います。

まずはその内訳。
日本は国立大学、公立大学、私立大学があり、国立大学が86校、公立大学が99校、私立大学が620校、合計で805校の大学があります。まぁ、細かく見れば他にも短大や特別な大学もあるのですが、動画の関係上、この3つに分けてお話します。

それで、今回は国公立大学です。
日本には47の都道府県、東京都、北海道、京都府、大阪府、そして、43の県があります。
これら47都道府県にはそれぞれ必ず1校以上の国立大学と公立大学が設置されています。特に都市部には国公立大学がたくさんあります。
これらの国公立大学の外国人入試には次のような傾向があります。
先ず、前回の動画でお話したように、国公立大学は学費が安いので、外国人留学生に人気があります。
そのため、どこの大学も合格が難しいです。
特に首都圏・都市圏の国公立大学は、人気が高く、毎年高倍率で、合格するのがとても難しい難関大学です。
そして、これら難関大学の中でも、旧帝大七校と呼ばれる国立大学が、日本を代表する最難関大学となっています。

では、この旧帝大とはどの大学でしょうか。

実は、戦前、日本がまだ大日本帝国だった時代から1947年まで、日本には帝国大学と呼ばれる大学がありました。
北から、北海道にあった北海道帝國大學。
東北地方宮城県にあった東北帝国大学
首都東京にあった東京帝国大学
中部地方愛知県にあった名古屋帝国大学
近畿地方京都府にあった京都帝国大学
同じく大阪府にあった大阪帝国大学
そして、九州地方福岡県にあった九州帝国大学
日本国内には、これら7つの帝国大学がありました。

それが、戦後、1947年に名称が変わり、現在のような名前になったのです。
これらの大学は、日本を代表する歴史と伝統がある国立大学で、就職活動での評価も非常に高く、日本人が入学するのも非常に難しい大学で、それは外国人留学生にとっても同じです。もしこの大学のどこかに合格したら、周りの日本人に言ってみましょう。知識のある日本人ならとてもびっくりして、皆さんのことを神様のように扱ってくれることでしょう。

では、これら旧帝大七校の外国人入試は、どのように難しいのでしょうか。

まず日本留学試験は指定された基礎学力科目まで受験する必要があります、って、これはどこの国公立大学も同じなのですが、特に旧帝大では、一部を除き、日本留学試験の成績が高くなければ、受験どころか出願すらできない出願制限が設けられています。
次に、これも他の国公立大学と同じですが、中には、6月の留学試験で出願しなければならない学部もあります。そのため準備期間が短くなってしまうところもあります。
さらに、これまた他の国公立大学と同じですが、英語の外部試験の成績が必要になってきます。
…とまぁ、ここまでは今、くりかえし言ったとおり他の国公立大学と同じなのですが、要は、最難関大学である旧帝大七校は、さらに成績も最高クラスが必要だと言うことです。
そして、中でも、東京大学は受験生に高校卒業5年以内という年齢制限を設けています。また、東大は推薦状も求めて来ますので、まず出願の段階で非常に高いハードルが用意されています。日本人の入試で最も難しいのが東京大学で、まさにそれにふさわしい難易度です。
しかし、実は外国人入試で最も難しいのは、東大ではありません。
それは京都大学なのです。
実は、この京都大学で私費外国人留学生特別選抜を行うのは、理系の工学部と薬学部だけで、その他の全ての学部では、外国人留学生も日本人と同じ一般選抜の試験を受けなければならないのです!
そう。
前回の学費のところで少し触れました。日本人受験生の共通テストと個別試験のお話し。これを外国人留学生も受験しなければならないのです。
これは学力のレベルにおいて、外国人よりも日本人の方が優れている、という話ではなく、日本人向けの試験問題に使われている日本語の表現が、けた違いに難しい、という日本語に関する問題です。以前はセンター試験と呼ばれていた共通テストの問題に使われている日本語を読んでみて下さい。EJU日本留学試験の日本語レベルとは違い、複雑な日本語になっています。実際に問題を読み比べてみれば一発で分かるでしょう。
これが、日本の最難関大学の外国人入試です。

そして、これら旧帝大七校を含めた国公立大学の全体的な難易度をお話しすると、こちら。
消えずに残った4つの項目はどの大学に当てはまり、これらを基に旧帝大七校を最難関として、次に難しいのが東京や大阪といった都市部の国公立大学になります。前述のとおり、毎年、非常に高い倍率になっています。
そして、その次が地方の国公立大学、と、一応の難易度ランキングはつけてみましたが、要は、日本にある国公立大学はどこも難しい、と考えて受験してください。
そして、これら難関大学では、英語の外部試験の成績で出願制限が設けられている大学もあり、出願以前の段階で不合格となります。
また、京都大学のような例もありますが、全体的に国公立大学の個別試験は難易度が非常に高く、小論文試験も、日本語の試験も、日本人の試験と変わらないレベルの問題が課されます。また、中には学科試験を課す大学もあります。
これら過去問題をゲットするなどして、しっかりと対策をしていきましょう。
尚、くどいようですが、これらの大学は日本語能力試験での出願はできません。って、ここまでお話しすれば、日本語能力試験だのといったレベルの入試ではないことがお分かりいただけるかと思います。

ここで改めまして、日本語能力試験の勘違いについてお話します。
実は現在、日本社会は大変な少子化を迎えています。そのおかげで大学でも専門学校でも、人気のないところは日本人学生が集まらず、経営が苦しくなっています。そこで、それらの大学・専門学校は、外国人留学生を集めようと、積極的に学生募集の営業を行っています。法務省告示校、いわゆる、日本語学校に学生募集の営業を行い、その際、大学・専門学校のPRとして、日本語能力試験で出願が出来る、N2以上合格していれば試験を免除したり、入学金を免除したりと、お得な特典を提示して募集活動をするのです。
その印象が強く残ってしまい、進学指導について不勉強な先生や、何も知らない外国人留学生が、日本語能力試験に合格すれば大学へ行ける!と勘違いしてしまいます。しかし、これは営業に来る大学や専門学校の印象が強くて誤解してしまった勘違いなのです。
毎年、出願直前まで志望校について調べず、出願直前に日本語能力試験では出願できないことを知り、将来が変わってしまう留学生が大勢います。将来を間違えないように、志望校について必ず早い段階で調べるようにしましょう。
とりあえず、国公立大学では、日本語能力試験は出願につかえません。

さて、お話を戻します。
これまで述べて来たことを踏まえて、国公立大学の入試対策は、
まず、1年目から力を入れてほしいこととして、日本語教育の参照枠B2以上のコミュニケーション能力を身につけましょう。
これは、CEFRのB2以上の検定試験に合格する、ということではありません。実際に、日本人と日本語でコミュニケーションが取れる能力のことを言っています。日本語能力試験のN1に合格しても、ろくに日本人と日本語で会話が出来ない人が大勢いますが、そんなレベルではありません。さも日本人かと間違えるほどの日本語コミュニケーションを持て、という意味です。母国で日本語を学習するならまだしも、日本に来て、日本語学校で日本語を学んでいる留学生なら、まずは日本語でコミュニケーションが取れるようになるのが最優先です。頑張ってください。
次に、早い段階で確認して準備してほしいのが、推薦状です。先ほど東大の話もしましたが、国公立大学の場合、日本人の推薦型選抜のように推薦状が必要になるところがあります。日本人受験生なら学校の先生がすぐに用意してくれますが、外国人留学生の場合、日本で通っている日本語学校の先生の推薦状では受け付けてもらえない大学もあります。その場合、母国の出身高校、出身大学の先生からの推薦状が必要になります。これを用意するまでにはかなりの時間がかかりますので、早め早めに行動するようにしてください。

そして、次は、これまた当たり前のことですが、日本留学試験、そして、英語の外部試験の成績では、高スコアをとれるように目指しましょう。
難関大学では、出願条件として〇〇点以上、といった条件を出しています。しかし、これはあくまでも出願できる最低スコアです。当然、その大学を受験する他の留学生はその最低スコアを遥かに超えて出願している受験生もいます。ですので、とにかく1点でも多くスコアを取れるように勉強してください。

また、個別試験対策は、日本人向けの参考書や問題集を使うようにしましょう。
くりかえし言っていますが、国公立大学は非常に人気が高く留学生募集に苦労してません。
学生が欲しくてお得な条件を提示する大学や、日本語さえ出来れば合格できるような大学ではありません。当然、そこで出題される試験問題も、日本人受験生が苦労しているような難しい問題が出題されます。
最近では、外国人留学生向けの小論文の書き方、入試対策の参考書みたいなもが出回るようになりましたが、どれも当たり前のことしか書かれていません。
実際に予備校で指導しているから分かりますが、当たり前のことをしても難関大学には合格できません。ですので、大学受験に向けて書かれた日本人向けの受験参考書や問題集を使うようにしましょう。
例えば、私の場合、小論文対策として代ゼミの新小論文ノートを勧めています。
この本を私は2002年から毎年、入手していますが、実は過去、この本に収録された文章が、そっくりそのまま一橋大学の外国人入試で出題されたことがありました。もちろん出題された問題は日本人への出題とは違っていて、外国人向けに漢字の書き取り問題もありましたが、それほど外国人入試と日本人の入試とは差が無いのです。
また、この本以外にもたくさんのお勧めしたい参考書や問題集がありますが、どの本でも、その内容を勉強すればよい、というわけではありません。手にした参考書の内容をヒントに、自らの力で考え、判断し、表現する力を身につけてほしいのです。
私の予備校の授業では、受験生たちの刺激となる話題をたくさん話し、そして、自ら考えてもらっています。これが予備校の授業です。同様に、外国人留学生にも刺激となる話をして、自ら考えてもらっていますが、こちらの授業では、私自身、多様性の発見がたくさんあって、私自身も刺激をもらっています。

この動画をご覧の皆さんも、ぜひ主体的に行動し、多様性を発見し、そして、未来を目指し、共に歩んでいきましょう。



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