私費外国人留学生特別入試で求められる日本留学試験と個別試験の関係について言及しています。
【以下、字幕】
さて、次に基礎学力科目です。
【以下、字幕】
さて、次に基礎学力科目です。
基礎学力科目の試験ですが、まずは総合科目。
これは、文系志望の学生が課される政治経済、社会、国際関係や
歴史、地理といった社会科系の試験になっています。
配点は200点満点で、
試験時間は、80分となっています。
そして、数学。
こちらは文系志望者向けの コース1と、
理系志望者向けのコース2の二種類が用意され、
それを試験当日選択することになります。
配点は、こちらも200点。
試験時間は80分。
3つ目は理科・サイエンスですが、
これは、物理、化学、生物、
それぞれ100点満点の試験のうち、
2科目を選択し、解答します。
2科目合わせて、80分の試験となっています。
以上。これらの学科試験は、大学によって学部によって受験科目、
つまり、成績を提出しなければならない科目が決められていますので、
受験する前にきちんと調べておきましょう。
まぁ、私が指導する場合、
後々、志望大学が変わることを考えて、
文系、理系、それぞれ全ての科目を受験するように指導しています。
日本語しか受けず、自分が行きたい大学が、
実は基礎学力科目の提出も必要だったと、
後になってわかる留学生が毎年います。
それを防ぐ意味でも受けさせるんですね。
以上!基礎学力科目でした。
…となると終わってしまいますね(笑)
ここまではとりあえず、いろいろなサイトや動画でもお話ししている内容でしたので、
ここからは、私の指導方針をもとに少しお話ししたいと思います。
まず、以前の動画で多様性について散々、お話をしました。
その際こちら。
こんな図を示して説明したんですね。
そう。食文化を例に出して、
人間が摂取する5大栄養素を『科学』と呼び、
その5大栄養素を、国によって地域によって民族によって、それぞれ違う方法で摂取する。
それが『文化』だ。
そして、文化とは国や民族だけでなく、個人によっても違ってくるんだ。
というお話をしました。
こちらの例に日本留学試験を当てはめると、
基礎学力科目とは、ここでいう人類普遍の科学にあたるのです。
とまぁ、こんな話をすると色々とね。異論が出てくるので、もう少しお話しますと、
留学試験で問われる知識は、人類普遍の科学ですが、
その知識のどの部分を試験に出題するかとなると、
これは普遍のものではなくなります。
また、テーマによっては、知識と文化を混同する場合も出てきます。
特に、総合科目で扱うテーマは社会科系ですから、
国によって、大きく違ってきます。
そこで少しお話します。
例えば歴史上の出来事で『原子爆弾』という核兵器が使われました。
これについて。
1945年8月6日。広島に投下されたという事実があります。
これは間違っていません。
これらは明らかな事実で、
国によって、広島への原爆投下が12 月8日になるなどはありえません。
また、原爆という一発の爆弾で、14万人以上が死傷したというのも普遍の事実です。
ところが、この手の話題を出すと、必ず色々な声が上がります。
「14万人が死んだ」というと、
「日本はアジアの国々でもっとひどいことをしたじゃないか!」
とか
「原爆を使ったおかげで戦争が早く終わったんだ!だから、原爆使用は正しい!」
とか。
さらに日本の立場では、
「たった一発の爆弾で、大勢の命を奪う恐ろしい兵器は、戦争に正義があるとか、善悪とか、そんなこと以上に、絶対に使うべきではない!」
なんて主張が出てきます。
そう。
普遍的な事実に対するこれらの考えは、
個人や立場によって違ってくる。
まさに文化の範囲なのです。
これは総合科目ではありません。
個別試験などで解答するお話になってきます。
総合科目で出題されるのは、あくまでも変えようのない事実。
人類普遍の『知識』なのです。
しかし、
この原子爆弾のお話は
私たち日本人は、核兵器の恐ろしさとして子供の頃から学習しますが、
国によっては、学習する視点や範囲が大きく違ってきます。
特に、日本から遠い国ならなおさらで、広島の話など学校で習わない外国人が、たくさんいるのです。
そう。
総合科目で出題される知識は、普遍的な事実かもしれませんが、
その出題される分野は、日本の教育課程に合わせた範囲で出題されます。
つまり、『国によっては学習しない分野』の知識まで、総合科目では出題されるのです。
総合科目ほどではありませんが、数学や理科も同様で、
『国によっては学習しない単元』から出題されたり、
また、『国で学習した単元』が日本留学試験では出題されなかったりするので、
必ず事前に過去問題を研究して確認し、対策するようにしましょう。
ということで、アドバイスです。
基礎学力科目での注意点は、
①出題分野を必ず確認する。
これは、今、お話ししたとおりです。
②。2番目として、
基本的な知識は、母国語で学習するようにしましょう。
これは、人類普遍の知識ですので、忘れている知識や学習していない知識は、
母国語でまず学習したり練習する方が、早くて効果的ですし、
それ以前に、知らない知識を未熟な言語で学習してしまうと、
間違って覚えてしまったり、誤解してしまったりするからです。
ですので、まずは母国語できちんと理解した上で、勉強を進めていきましょう。
しかし、③。
総合科目と理科は、日本語を学習してください。
いくら社会科的な知識が豊富でも、また、理科がよくできる留学生でも、
問題に書かれている日本語がわからないと、どうすることもできません。
もちろん、基礎学力科目は英語での受験も可能ですが、
英語も日本語もできない留学生には、社会科の日本語、理科の日本語、共に大きなハードルとなり、
私も実際に授業していると、知識よりも知識に使われている日本語を教える時間が多すぎて、
「これは日本語の授業だ!」なんて感じています。
こればかりは皆さんの努力しかありません。
頑張って日本語を覚えてください。
また、④番。
このようなわけで、まぁ、人類普遍の知識が問われますから、
YouTubeを始めとする動画や、参考書、問題集を使って、自分で学習することができます。
もちろん、お金に余裕があるなら、その手の塾に通うのも有効ですし、
日本語学校の先生が教えてくれるというのでしたら、その先生に教わるのが、一番いいでしょう。
けど、自分で学習できますので、
主体的に、積極的に、これらの知識を学習するようにしていきましょう。
以上。私の指導方針からのアドバイスでした。
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