私費外国人留学生特別入試のスケジュールを解説しています。





(スクリプト)
では、いよいよこの動画から、私費外国人留学生入試の具体的な指導法と勉強法をお話ししていきます。

まず今回の動画では、全体的なスケジュールをもとに、外国人入試全体の外観をお話しましょう。
法務省告示校、いわゆる、日本語学校に入学してから日本の大学・専門学校へ進学するには、2年、ないしは、1年半の時間が与えられます。この期間をそれぞれの学年に分けてお話しします。

●まずは1年目。
1年目の1年生の間はとにかくコミュニケーション能力を身につけるようにしましょう。
理由は簡単。日本で生活する以上日本語でのコミュニケーションが重要だからです。当たり前ですよね?また、2年目の受験指導・進学指導だけでなく、日々、学校で書類1つ用意するにも日本語が必要だからです。特に入試でも、大切になってきます。たとえ入学試験で高得点をとっても、面接試験でコミュニケーション能力を疑われれば、入試では1発で不合格になるからです。

日本留学試験が20年以上前、初めて導入されました。それまでは大学入試に必要なのは、日本語能力試験と私費外国人留学生統一試験という2つの試験でした。それが1つとなり、新しくなったのが日本留学試験です。
そのタイミングで、私がいた日本語学校は、進学指導に特化しようと舵を切りました。
私がその責任者に任じられたのですが、その時、まずは先生たちに本校の学生が目指すゴールを見せたのです。つまり、大学の過去問題を見せたんですね。
それを見て青くなった先生たちは、
「じゃぁ、今の教科書なんか、やってる場合じゃ、ないじゃない!」
と理解して下さいました。

その先生たちに見せた入試問題を解けるように指導するには、まずコミュニケーション能力を身につけさせることが最優先だと判断したのです。それで、日本語の先生たちは、1年目、コミュニケーション能力を重視した指導をしてくれたのです。
もともと最後の課で敬語を教えるような教科書を使って、日本で生活している外国人留学生に日本語を教えることに疑問を持っていた人たちばかりでしたから、徹底的にコミュニケーション能力をつけてくれました。と同時に、大学入試を意識して、漢字の指導も徹底的にやっていただきました。毎日、20個ずつ漢字テストを行い、サボったり成績の悪い留学生には容赦なく厳しい指導を行ってくれました。
この方針は見事に成功し、その後、類を見ない進学実績を上げてきたのです。

以上が、日本語学校入学1年目の過ごし方です。



●次は2年生です。
いよいよ受験学年になったら本格的に指導の始まりです。
2年生で乗り越えなければならない壁は4つあります。
①学費の問題と出席率
②日本留学試験
③志望大学の情報収集
④個別試験対策
です。
それぞれ見ていきましょう。

まず①学費と出席率ですが、これは早め早めに対策をしておきましょう。両親にいきなり数百万円を用意するよう頼んでも、すぐに用意など出来ません。また、入試はまだ先だと、学校を休んで出席率を下げてしまったりすると、後で後悔することになります。きちんと出席管理をしましょう。ここで忘れないで欲しいのは、法務省告示校は、法務省・入管の厳しい出欠管理が行われているということで、大学側も入管からの指導を受け、しっかりとチェックをしています。

次に②日本留学試験です。この試験は必ず受けるようにしましょう。
というのも、もともとこの試験は大学進学のために作られました。
この試験が出来る前、外国人留学生が日本の大学に進学するには、日本語能力試験と私費外国人留学生統一試験というのが必要でした。日本語能力試験の問題を見れば分かりますが、大学で生活していくのに必要な日本語能力を身につけることはできません。そこで、新しく、私費外国人留学生統一試験に大学向けの日本語試験を加えた形で、日本留学試験が出来たのです。
このような流れから、外国人の大学入試では日本留学試験が重視され、やむを得ない事情がある場合のみ、他の日本語検定試験を用いても良い、となり、日本語能力試験で出願できる大学・学部は例外的な存在となったのです。このようなことから、日本留学試験は必ず受けるようにしましょう。
そして、もう1点。
日本留学試験は6月と11月の年に2回実施されますが、必ず6月の試験に全力で挑んでください。11月では手遅れです。6月の試験の成績が大学入試に必要となります。

他の動画でも言っていますが、私費外国人留学生入試は、いわゆる特別選抜のため、9月~12月に実施されます。日本人の総合型選抜・学校推薦型選抜と同じ時期に行われるのです。
ですので、11月に留学試験を受けて年末に結果が分っても、年明けにはほとんどの外国人入試が終わっています。ただ、どの大学でも入試後の入学辞退者が出るのが常ですので、その欠員を埋めるため、一部の大学が年明けに欠員を埋めるための2次募集、3次募集を行いますが、非常に高い倍率となり、狭き門となっています。私は、この時期の入試を、映画『タイタニック』の沈没シーンになぞって『タイタニック入試』と呼んでいます。そのリスクを避けるために、6月の留学試験を全力で受験するのです。

次に志望大学の情報収集ですが、6月の留学試験が終わってしばらくすると、東京、大阪で大きな外国人向け進学説明会が開かれます。遠くても足を運び、参加するようにしましょう。また、外国人入試は、日本人の特別選抜と同じスケジュールで動いていますので、留学試験が終わるころから一気に大学のオープンキャンパスが開かれます。気になる大学等のオープンキャンパスに参加し、情報収集をしましょう。特にその大学の個別試験の過去問題をゲットすることを意識してください。
そして、7月下旬、特別選抜方式の入試を受ける日本人の高校生にとって重要な成績が出るのと同じ時期に日本留学試験の成績が届きます。その成績を見て、志望する大学を決めるのです。
志望大学が決まったら、後はひたすら過去問題を研究し、対策をするようにしましょう。




うさぎ団を応援してください!
下のランキングにクリックをお願いします。
人気 blog ランキング / にほんブログ村


master mimi bl