大学が評価する多様性とは
前回の動画では、日本の大学が留学生に対し、どのような入学試験を実施するかについてお話しました。特別選抜入試である以上、求められる日本語能力には一定のルールがありますが、それ以外、全大学を通して共通の選抜方法はないこともお話しました。
共通のルールはないけれど求められることは同じで、文部科学省が示す「学力の3要素」が大切だというお話をしました。そして、このようなピラミッドでご説明しましたが、外国人留学生が求められる最も重要なことは「多様性」であるとお話しました。
そこで、今回の動画では、その「多様性」について、少しお話したいと思います。
まず多様性、
多様性とは、「ある集団で違いを持った人々が共に存在すること」を指して言います。また、カタカナ語では「ダイバーシティ」とも言われます。ここでいう「違い」と言うことが、外国人留学生にとって重要となってきます。
では、その違いとは何でしょうか?
まず違いと言っても『見てわかる違い』と『見ても分からない違い』とがありますね?
それに基づき、見てわかる違いの多様性を表層的ダイバーシティ、見ても分からない違いの多様性を深層的ダイバーシティと言います。
詳しく見てみると、表層的タイバーシティ、これは見てすぐわかる違いですから、性別、年齢、人種、民族、障害等、こういった違いを指します。
それに対し、深層的ダイバーシティは、その人の性格、考え方、習慣、宗教、趣味、知識・技能、コミュニケーションスタイル、職歴、そして、性的指向等を指します。
まぁ、普通に考えれば分かる違いですが、
では、大学が外国人留学生に求める、違いは何でしょうか?
もちろん、表層的な違い以上に深層的な違いの方が重要になってきます。この違いについて、大学は関心を持つのです。
そこで、大学進学を目指す外国人留学生の方たちには、この深層的な違いを中心に、自分たちの国と日本との違いについて、大学入試まで考え続けるよう指導します。そして、違いを見ていると同じである部分にも気がつくのです。それが、外国人入試で求められる『留学生としての資質』なのです。
そこで、私が授業をする際、それら表層的・深層的な違いを考える際のヒントとして『文化』のお話をします。特に分かりやすく、ここでは『食文化』についてお話ししましょう。
食文化です。
まず、食文化と言えば、食事。食事とは、モノを食べて体に必要な栄養分を補給する行為です、って生々しい表現ですが、その栄養を表す言葉に『5大栄養素』というものがあります。5大栄養素とは、5つの栄養素、たんぱく質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラル、この5つを5大栄養素と言って、これは日本人だけでなく、全人類共通、人間なら生きていくうえで誰もが必要とする栄養素です。〇〇人だから、ビタミンは必要ない、なんてことはありません。これは人類共通、普遍的なモノで、このような事柄を、ここでは『科学』と呼びます。
では、この普遍的な5大栄養素を日本人はどのように摂取して来たのでしょうか?
実は、古来より伝わる日本食(和食)の食材を表す言葉に『孫は優しい』という言葉があります。これが日本の伝統的食文化です。
『まごわやさしい』実は、これは食材の頭文字を表しています。
ま、豆。
ご、ゴマ、と言う具合に食材の頭文字を表しています。
わ、わ、は『は』ではなく『わ』なのですが、ワカメ、と言った海藻類を表します。
や、は野菜を表しますが、ここでいう野菜は、山で取れた野菜です。実は、日本にある野菜のほとんどは、海外から日本に伝わった野菜で、大昔の日本で野菜と言ったら、山で取れる山菜のことでした。
そして、さ、は魚。
し、はしいたけ類、要はキノコ類ですね。
で最後の『い』は芋、これも日本では、古代、山で取れるような芋を表していました。
そう。
日本の食文化を表すのは『まごはやさしい』で、古来より日本人は、これらの食材から、人類普遍の5大栄養素を摂取していたのです。これを『文化』と呼びます。
『文化』とは『科学』と違って、国や地域、国籍や民族、さらには、個人個人によっても異なる『違い』を表しているのです。
日本の伝統的食文化は『孫はやさしい』。
では、他の国では、どのような方法でこの5大栄養素を摂取しているでしょうか?
留学生の皆さんの国では?
それこそが食文化の違いで、その国の風土や歴史によって異なります。自分たちの国ではどうだろうか、それを考え、入試に行かして欲しいのです。大学では面接などでいろいろなことを聞いてきます。その質問にただ何となく、気分で答えると落とされます。きちんと思考し、判断し、それを面接や小論文などで答えてほしいのです。
外国人留学生には、この文化にあたることを考えてほしいのです。『科学』の事柄は母国でも学んでいるはずです。けど、文化は、その国へ来て身をもって体験しているわけですから、周囲から学ぶのです。
科学とか難しい言葉を使わず、人類普遍の事柄とはいろいろなものがあります。それらが、自分の国と日本ではどう違うのかを考えていきましょう。
違いを考える時、もっとも身近なことが衣食住です。
衣で言うなら、日本人はなぜ夏に浴衣を着るのでしょうか?とか。若者は卒業式、成人式でオシャレをする様子とかを観察しながら考えましょう。
住でしたら、自分たちの国と比べて、お風呂に入る日本の習慣、トイレについている乙姫とかいう妙な装置等、これらは表層的な違いですが、なぜそのようなことをするのか、なぜそれが必要なのか、深層的な違いを考え、そして、知ってください。
普遍的なものは衣食住だけではありません。思想や哲学にも及びます。
例えば愛、これなんかも全人類共通です。
けど、国によって、それ以前に個人によって考え方は違います。
夫婦愛、母性愛、父性愛、兄弟愛、師弟愛、友愛、異性愛、同性愛、これらの愛が、自分たちの国ではどのように扱われているだろうか。日本では、どのように表現されるのだろうか、こんな違いを考え、知ってください。これは次の動画で説明しますが、
理解する必要はありません。知ることが大事です。これは次の動画でお話しますが、知ることが大切なのです。
では、知るためにはどうすればいいでしょうか?
簡単です。
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