この動画では、外国籍の方、特に法務省告示校、いわゆる日本語学校に在籍する留学生が大学に進学する際の外国人入試についてお話したいと思います。
まず外国人が日本で進学するということで、どのような方が該当するでしょうか?
ひとつめは、在留資格『留学』で滞在している外国籍の方、いわゆる、法務省告示校に在籍する留学生の方たちです。
ふたつめは、在留外国人のご家族の方、この方も外国籍になりますので、このような方々を指します。
要は、日本語があまりできない方々、と理解してください。
このような受験生を大学が迎え入れるのに設けられているのが『外国人特別選抜』です。
と、今、ここで日本語があまりできない方々、と少しきつい表現をしましたが、実は、在留外国人の方の中には、日本で生まれ育って来て、両親の母国語よりも日本語が上手な外国籍の方もいらっしゃるんですね。
何年か前にこんな経験をしました。
中国籍の女性から、東京都内の某有名私立大学への進学したいとの相談を受けました。彼女は3歳の頃から日本で生活していて、日本語はペラペラ、むしろ両親の中国語の方が苦手という女性で、中身は完全に日本の女子高生、そのまんまでした。
ただ、外国籍だからと、外国人留学生向けの特別選抜を受けさせたのですが、その面接試験の際、面接官から『中国語よりも、これだけ日本語が上手なのだから、日本人向けの入試を受験したら?合格にしますよ。』と勧められたそうです。
というのも、留学生枠で入学してしまうと大学の授業で『日本語』が必須になるとのことで、日本人が外国人向けの日本語教科書で勉強するようなもので、簡単すぎて眠くなるだろうというのです。
けど、彼女は断って、外国人枠で進学していきました。
なぜかって?
その方が、単位が取りやすいからだそうです。しっかりしてますね。
因みに、日本国籍でも日本語が出来ないという受験生もいます。そういう受験生のためには帰国子女特別選抜が設けられています。
ですが、ここでは先ず外国人特別選抜についてお話を続けます。
では、今度は外国人特別選抜のシステムについてお話します。
まず外国人特別選抜に共通して求められるのは、日本語能力の証明です。
文部科学省は、大学・専門学校へ進学するには、日本語教育の参照枠(CEFR)B1以上が必要であると示しています。このレベルの日本語能力がない留学生が進学しても、大学の授業の日本語が理解できないということです。
その基準としては、
日本留学試験の日本語スコア200以上、また、日本語能力試験で言うならN2以上、と示しています。
外国人入試に共通するのはこれくらで、この入試は特別選抜ですので、この他、学歴に関わる事柄以外、全大学共通のルールというものはありません。各大学、様々な方法で入試選抜が行われます。
ただその選抜で求められる背景は同じで、文部科学省が示す『学力の3要素』というものが求められます。この学力の3要素を、それぞれの大学が独自に判定する、それが特別選抜です。
では?学力の三要素とはどんなものでしょうか?
よくこんなピラミッドで説明されます。
ピラミッドの一番下、もっとも土台となるもの、それは知識・技能です。
そして、その知識と技能を使って真ん中、思考して判断して表現する、思考力・判断力・表現力です。
これら2つを使ってピラミッドの一番上、主体性と多様性と共同性を育む、これが教育の3要素と呼ばれています。
では、具体的にどのように見るのでしょうか?
知識は、高卒程度の学力が求められます。
技能も、高卒程度の学力が求められます、って、どっちも常識ですが。
これに加えて外国人の場合、日本語の技能が求められます。前述の日本語教育の参照枠B1以上のスキルです。
そして、思考力・判断力・表現力を見るために、小論文、プレゼン、ディベート、面接・面談・口頭試問、といった試験を行い、そこで能力をみられ、同時に、その受験生の主体性と多様性、協働性を判断するのです。
これが特別選抜に限らず、今の日本の大学入試で求められている背景です。
ですので、皆さんは特に外国人ですから、この多様性なんてのが一番の審査基準となるでしょう。
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