外国人留学生に教える日本事情というと、どうも日本文化、特に伝統文化に偏る傾向があるようです。確かに、東洋の異質な珍しい伝統文化に触れることは興味のひくところとなるでしょう。また、日本人が海外で紹介する日本文化もそれらで構わないでしょう。しかし、日本に在住する外国人、特に日本の近隣から来る外国人にとって日本の伝統文化は、ともすると彼らの国が発祥の地だったりします。正月の書き初めなど、並みの日本人に比べたら中国人留学生の方がはるかに上手だったりします。
 それだけではありません。
 日本の伝統行事などでもそうです。例えば、七夕なんてものがそうです。クリスマスツリーを指さし『これはクリスマスツリーと言います。キリスト教のお祭りです。あなたの国にもありますか?』と、アメリカ人には聞かないでしょう。でも、七夕の笹飾りを指さし『これは七夕と言います。あなたの国にもありますか?』と、中国人に質問する日本人は大勢いるようです。祭りの形は違っても、七夕とは、白居易の『長恨歌』にも出てくるお祭りです。

 では、日本国内にいる外国人にとって必要な日本事情とはどのようなものでしょうか?
 それは日本で生活する彼らの周囲で起きている事柄こそ、必要な日本事情です。

 日本語学校のような環境では、周囲には様々な外国人学生がいて日本人はほんのわずか、教員とスタッフしかいません。そのような環境にいると、そこのスタッフたちも感覚がマヒしていき、たとえ留学生が日本社会ではマナー違反であるとされるようなことをしても、大目に見てしまったりします。しかし、かれらの周囲には日本人にしかおらず、常識外れのことをしようものならとんでもないことになってしまいます。もちろん、本音とタテマエの日本社会ですから、外国人が常識外れのことをしてもグッと我慢してしまうこともあります。しかし、そのようなことをしていては、留学生にとっては言うまでもなく、日本社会にとっても良い結果になるとは言えないでしょう。お互い、不幸な結果を招かないとも限りません。

 だからこそ『ホーム』として機能し、時に厳しく、時に彼らの味方をし、支援するのが私たちの目指す日本語学校です。



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