海外からやってきた若者たちのホームであろうとするのはどういうことでしょうか。
 私がこれまで意識してきたのは、リスガード(S.Lysgaard)のU字曲線、W字曲線です。
 こういう知識は知識として知っているだけじゃなく、どんどん使いましょう!

 ホームを目指すからと言って、何でもかんでも外国人留学生の肩を持つというわけではありません。そこらへん勘違いしている方がいらっしゃるようですが、大抵は『若気の至り』で、日本語教師として経験を積んでいけば、どうすることが彼らにとって最良かということが分ってきます。まぁ、経験を積んでも何も分からない方もいらっしゃいますが。
 この手のお話は、昔、刊行されていた『月刊 日本語』の記事として載ってたりしていたのですが、休刊になってしまいました(また出るみたいですが)。

 私がまだ『青い』と呼ばれる頃、日本語学校の宴会の際、韓国人留学生たちが『竹島の領有権問題』について振ってきました。それに対し、その場に同席していた大ベテランと言われるオバさん日本語教師が「わたしはこの問題についてしっかりと勉強した。竹島は明らかに韓国のものだ!」と御高説なさいました。私もこの問題についてはしっかりと勉強したつもりで、立場的にこの大ベテランの先生とは真逆の解釈でしたので、この話題には触れませんでした。けど、韓国人留学生たちは私の反応にストレスを感じていたようです。
 あまりにしつこく意見を聞いてくるもんだから、毅然とした態度で言いました。
 「日本では、パーティーの席で政治と宗教の話題を出すことは失礼なんだ。いや、日本だけではなく欧米もその他の国でも同じだと聞いている。韓国では違うのか?」
 と。
 必死に言い訳をして来たので、これまた毅然とした態度でその場から立ち去りました。
 後日、その学生たちは私のところに謝罪に来ましたが、学校での宴会の席みたいな楽しくやっている場で、いきなりそんな(政治や宗教の)話題を振ったらどうなるか、きちんと指導しました。これは、政治的な問題とか以前に礼儀の問題である、と。

 そう。
 何でもかんでも彼らを受け入れることはありません、というより、受け入れてはなりません。
 時には毅然とした態度で接しなければなりません。
 教室に貼ってある日本地図の竹島に、ハングルで「この島は我々の領土だ!」などと落書きした学生を許してはなりません。なぜなら、日本語学校の外でそんなことをすれば警察に逮捕されるからです。これは政治的な問題ではなく、器物損壊罪というただの犯罪です。
 どぉ~も、そこらへん勘違いしている方もいらっしゃるようで、彼らの歴史的背景を理解すべきだ、などと犯罪行為を正当化しようとなさる方もいらっしゃいますが、それではホームでも何でもなく、学生の顔色を見て、ただ甘やかしているだけの日本語教師でしょう。

 もし彼らが、日本語学校の外で同じことをやったらどうなると思いますか?

 さて、そんなわけで、いろいろな留学生がいますが、ホームとして完成させるには、しっかりと教えなければなりません。そこでリスガード(S.Lysgaard)のU・W字曲線が出てきます。

 最初の頃、いわゆるハネムーン期にガンガン日本の習慣・マナーを教えます。
 この時期にいる留学生は、まだ初級の段階で日本語が満足に通じないでしょう。そこで、教室に外国人スタッフを入れ、同時通訳で授業をすると良いでしょう。もちろん、授業で教えたくらいで彼らが理解し、行動を変えるような甘い期待はしません。けど、最初にきちんと説明することが大切です。それも、お役所で配布している日本生活のパンフレットのようなレベルではなく、彼らが引き起こすであろうトラブルを事前に指導しておくのです。
 このブログでも時々書いている『交通マナー』なんてのが良い例です。
 ハネムーン期にガンガン教え込んでおくのと、後のショック期になってトラブルを起こしてから教えるのとでは反応が違います。というより、ハネムーン期ですからかなりの外国人留学生が理解し、同国人同士でも注意し合ってくれます。日本とは、そういうところなのだと。

 指導では、彼らが日本語学校の外でどのようなことに出会うか、どのような反応をするとどのような結果になるのか、これを意識しておく必要があります。それはもちろん、日本語会話におけるストラテジーの部分も含みます。ここら辺、ベテランの日本語教師ならかなり分かるのですが、皆が皆、ベテランになるのを待っていられませんし、非常勤の先生なら学生の生活指導に触れる機会も少ないでしょう。でもって、その手の指導の参考になる本でも出ていれば良いのですが、これまた見かけません。日本語の誤用研究なんてのはなされていて、その手の辞書まで出ているほどですが、外国人が習慣の違いで日本人と起こすトラブル集なんてのは見かけません。

 そんなわけで、うさぎ団のメンバーで作っていけたらと思っています。





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