CEFRだなんだと、かなり昔から言われてきました。
…って、CEFR自体、21世紀初めに完成したものですから、当時から一部の人たちに注目されていました。

そのころのミミーは、外国人留学生を大学に進学させなければならず、その日本語能力の評価に苦しんできました。
周囲の日本語教師たちは『構造シラバス』べったりで、留学生たちの日本語能力の評価は「○○さん(の日本語能力)は、みん日第○課が終わったところです。」でした。
ミミーも例外なく日本語教師養成講座を出て『構造シラバス』での指導をしてきた身、この考え方は良くわかります。けど、こんな日本語能力の評価は、日本語教育の専門家である日本語教師たちだけの評価基準、それも閉鎖的な日本語能力評価で、大学入試で留学生の日本語能力を評価するのは一般的な日本人、大学教授たちです。

ご存じのとおり、外国人留学生が日本の大学に進学するには日本語能力試験N2相当以上の日本語能力、或いは、日本留学試験の日本語スコアが200以上と設定されています。そのため、大学の中には、日本語教師が受験生を評価する大学もあるようで、そういった大学の試験は日本語能力試験に酷似した『N2相当の日本語能力を測る日本語能力試験型の試験』が課されます。
しかし、その手の試験を課す大学は、圧倒的に日本社会で言われる、いわゆる『Fランク(偏差値算定不能)』大学です。その他、倍率が存在する大学の入試では、日本人の特別選抜入試(現、総合型選抜・特別選抜)と寸分変わらず、普通に小論文、面接、口頭試問、学科試験を課す試験が行われます。
そう。
日本語教育なんぞと無縁の、一般の人が外国人留学生を評価するのです。
その際、「この学生は、みん日第○課まで終わっています」なんて日本語能力評価は通じません。また、「日本語能力試験が言語4技能のうち『読む』『聞く』のみを測定し、後はただ『言語知識』と問う、いわゆる『クイズ番組』試験」で、N1(当時は1級)を持っていたところで、大学の授業にはついてこれないという現実を大学側は知っていました。
その出口、つまり、日本語学習者が目標とする地点にたどり着くためには、みん日第○課、だの、JLPTでN○を持っていますだのと言った評価など役に立たないのです。
それで散々、苦しみました。

ミミーがCEFRと出会ったのは、その7年後。
初めて聞いたときは、まさに『太公望』でした、って釣りをしているわけではありませんが(笑)。
ミミーが散々、求めてきたものがそこにありました。

大学入試に限らず、ミミーが求めてきた評価は、ただただ「日本語を使って何ができるか」「身につけた日本語で何がしたいのか」でした。前者は、正にCEFRの理念そのものです。…って、ミミーがどうこうというより、ミミーと同じように考える人が大勢いて、それが21世紀初頭、ヨーロッパで発表された、ということです。
それが20年の時を経て、今回、『ヨーロッパ言語共通の参照枠』の思想が『日本語教育の参照枠』として策定されました。
後は法案が通るかどうかだけですが。

ミミー個人としては、この評価方法は極めて妥当、というよりも、ある意味『真理』であるとさえ思っています。もちろんまだまだ発展途上で、これからどんどん進化していくのでしょうが、これ以外、第二言語を評価するすべはないとさえ思います。
文法?
はい。それも大事ですよね。
文字語彙?
はい。それも大事だってわかってますよ。
けど、そんなことばかり評価しても目的は達成できませんよね?日本語クイズのテレビ番組でもあれば別でしょうが、社会一般の常識として、知識がたくさんあってもそれを使えなければ意味がない、ただの役立たずです。




うん。
力のない先生がこんなことやったら、ただの『お遊び』にしかなりません。
けど、力のある先生がやれば、ちゃんとした『第二言語習得』教育になるんです。

では、ミミーたちはどんなことをやってきた?
これからしばらくは、そのご紹介をしたいと思います。



【赤道祭り】
 地球の赤道付近は北東貿易風と南東貿易風の間にある熱帯収束帯(赤道無風帯)は風が弱くスコールが発生しやすい場所で、く、木造の帆船が大海原を進む大航海時代、船乗りにとっては難所であった。そのため船乗りたちは赤道を通過する際に安全を祈願する儀式を行うようになったとされる。
 また、こういった儀式が行われることは、船乗りたちの士気高揚、団結心を高めるには有益であると証明されている。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E9%81%93%E7%A5%AD 赤道祭り

ミミーたちは海賊(笑)です!そこで、海にちなんだイベントを考えました。
4月に入学した外国人留学生にとって10月はちょうど半年が経過した時期。
また、10月入学の外国人留学生にとっては、わくわく感冷めやらぬハネムーン期です。
人生を船の大航海に喩えるなら、ちょうど赤道を通過するようなもの。
それで、10月期初めの頃に出来るイベントは無いかと考えました。

どんなに頑張っても、チームティーチングを行っている学校では、やはり先生によってムラが出てしまいます。JFスタンダードのCan-doならまだしも、CEFRのCan-doのような評価をするには、なるべく一斉に、同じ対象でやらなければなりません。
そこで考えたのが、ハロウィンでした。
赤道祭りも、仮装パーティーですから(笑)。
ハロウィンの日、一日は、完全に先生に任せて、CEFR評価出来るような授業をデザインしてもらい、後は、寸劇、お食事、何でもありで学生たちのテンションを上げ、とにかく発話を促す。
若くて奇麗な日本語教師の先生が、セクシー系コスチュームをまとおうものなら、居眠りする(男子)学生なんぞ一人もいません(笑)!そんな中、こちらが指定したパフォーマンス・ルーブリックを渡し、学生たちとのやり取りを評価していただきます。
そんなこともやってました。
ただ、これ、日本語教育について何も知らない人たちからすれば、ただ遊んでいるだけにしか見えないんですよね。案の定、日本語教師ではない職員の方々には、全く理解していただけませんでした(爆笑)!

さぁ、行くよ!
希望と栄光の王国を目指して。

羅針盤は、CEFR!!



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